膜構造建築物は、屋根や外壁に膜材料を用いた建築物で建築分野における新しい技術です。

膜材料関連ファイル

丈夫な膜材料

昭和63年(1988年)に誕生した東京ドームは、ふっ素樹脂をコーティングした「ガラス繊維膜」で屋根が構成されており、現在でも十分な機能と強度が保たれてます。(ガラス繊維膜:直径約0.003mmの極細のガラスフィラメントを束ねて糸として織った布)膜として使用される材料には合成繊維膜もあります。代表的なものが、ポリエステル繊維の基布に塩化ビニールをコーティングしたものです。
膜材料は、基布、コーティング材、用途で4種類に大別されます。

呼称 A種 B種 C種 テント倉庫用
基布 ガラス繊維 合成繊維 合成繊維
ガラス繊維
コーティング材 ふっ素系樹脂 塩ビ等合成樹脂
重さ 0.55kg/㎡以上 0.5kg/㎡以上 0.4kg/㎡以上
厚さ 0.50mm以上 0.45mm以上
耐久性 A種>B種>C種>テント倉庫用
接合加工 専用設備と高い
加工技術が必要
小規模の設備で加工でき扱いやすい
施工性 折り曲げないよう施工管理が重要 現場の扱いも楽
色彩 白(3ヶ月で漂白) 自由に色が付けられる

耐久性は、立地条件に大きく左右されますので、一応の目安とお考え下さい。

膜構造の特徴

軽量で高強度である膜材料は、屋根全体を軽やかに覆う膜屋根や、外壁の日射調整装置、疵による大きな日除けなど大面積への適用に適しています。とりわけ白色系の膜は光線反射率が高いため、屋外では太陽光を反射してヒートアイランド緩和に貢献し、屋内では間接照明の反射面として天井面全体を適度に明るくすることが可能です。また、膜材料の適度な光線透過性は障子のような柔らかな明るさを内部にもたらし、少ない部材で大きなスパンを飛ばし開放的な空間を実現でき、昼光などの自然エネルギーの活用に適しています。
膜構造の特徴のイメージ

膜構造用フィルム

上記膜材料のような“基布”を持たない樹脂性のフィルム材料も膜構造建築物に使用することができます。(2017年(平成29年)6月の告示改正により使用可能となりました。)現在、一般的な確認申請手続きのみで使用できるものは、エチレン‐四ふっ化エチレン共重合樹脂(Ethylene / Tetra Fluoro Ethylene = ETFE)製のフイルムで、厚さ100μm(0.1mm)以上のものとなります。ETFEフィルムは、光線透過率95%以上という高い透光性(透明性)に加え、屋外で20年以上使用可能な耐候性を持ち、高い耐熱性も有するなど、優れた特徴を持っています。ETFEフィルムを用いた膜構造には、袋状にしたフィルム内部の空気圧を高めることによりフィルムに張力を導入する『クッション方式』と、一般的な膜材料と同様にフィルムの端部を直接引張ることにより張力を導入する『テンション方式』があります。