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発行年 | 2025年 |
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タイトル | 球形屋根を有する円筒形空気膜構造の必要内圧制御に関する研究 その3 大型空気膜モデルによる必要内圧の実測 |
著者 | 丸田榮藏(WIND & PHYSICS LLC) 河端昌也(横浜国立大学) 山本 学(鹿島建設株式会社) 揖斐 剛(大嘉産業株式会社) |
概要 | 本研究は、球形屋根をもつ円筒空気膜ドームについて高さ約30mに及ぶ実大の縮尺1/10を想定したウレタン製の大型モデルを作成し、自然風中における空気膜構造の変形に対する原形回復ならびに座屈回避のための必要内圧について推定したものである。実験は、モーションキャプチャーを用い3次元変位ベクトルを求めた。膜体内圧による膜膨張と風圧力作用時の影響により生じる計測上のゼロ点のズレに関し、風速変動と変位変動ベクトルの逐次相関を考慮したOff-setの手法を設定することによって実変位を特定した。測定は、2.39~4.35m/sの風の中で膜体内圧を9.1Pa~27.8Paの間で小刻みに変化させ、10分間平均相当の27回のData-setを収録した。結果は、最大変位が予想される最低の膜体内圧9.1Paに対し作成した風方向の実変形図を求め、既往の風洞実験との変形比較において近似な状況を得た。この成果を基に、原形回復に関してはOff-setの手法をもって基準風速の異なる3ケースの必要内圧P0について推定し、また座屈回避に関しては膜体風下下部に位置する変位変動の3σを基本にした実質の最小ピーク率 𝐾𝐾0の導入によって評価した1ケースに対し必要内圧P0bの推定が可能となった。取得した必要内圧は、初報で展開してきた剛体の薄膜構造を基本とした簡易算定法との比較において良好な近似が示された。このことから本論文における必要内圧に関する簡易推定法は、実用性として十分妥当な手法であると確認できた。 |