音波を用いた膜張力測定装置の実用化 小型・軽量化と多様な張力比への対応

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発行年 2008年
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タイトル 音波を用いた膜張力測定装置の実用化 小型・軽量化と多様な張力比への対応
著者 陳商煜、大森博司
概要 著者らは、膜構造物の膜面に生じる膜張力を高精度を持ちながら、定量的に、二軸別々に測定でき、かつ現場で簡易に利用できる測定方法として音波を用いた方法を提案し、実験により精度の検証を行っている。その原理は長方形の境界面を持つ膜面を可聴域の振動数を持つ音波で加振し、膜面の持つ共振振動数近傍で起こる励起振動を測定することで、間接的に膜面に作用している張力を測定するものである。膜の共振振動数を理論的に予測するため空気による付加質量の影響を考慮しており、装置の実用化を目標とし、低張力から高張力の広い範囲で90% 以上を目標精度とし、精度向上のための装置改良およびその検証実験を行っている。さらに、本測定装置がA 種膜だけではなく、B, C 種膜などの多様な膜構造物にも適用できることを示し、実在する3 件の膜構造物を対象に張力測定を行なうことにより、現場で十分利用できることを確認している。本論では、測定装置の実用化に向け、装置の小型・軽量化の過程で生じる諸問題を実験を通じて解決し、膜構造物に生じうる様々な張力比に対応できることを示した上で、試作した小型の測定装置を用いて実膜構造物の張力測定を行なったので報告する。