実構造物における膜パネルのリラクゼーション計測

詳細内容
発行年 1998年
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タイトル 実構造物における膜パネルのリラクゼーション計測
著者 坪田張二、日下彰宏、石田雅利、工藤邦昭、瀬戸裕
概要 膜材料はリラクゼーシヨンが避けられないため、恒久膜構造物では、その対策として膜張力を再導入する機構が設けられるのが一般的である。しかし、実構造物におけるリラクゼーションについては、実測データが少なく精度良く予測することが困難なため、こうした張力再導入機構の設計や再導入時期などは経験や勘に頼っているのが現状である。本研究では、リラクゼーションを予測する際の基礎データを蓄積し今後の設計資料の一助とするため実構造物に対して定期的に膜張力を計測した。計測対象は、1998年に熊本県に竣工した陸上競技場に設置された押さえケープル付テンション膜構造の膜屋根パネルである。計測項目は、膜張力のほか、膜ひずみ、押さえケープル張力で、膜展張、ケープル張力導入時など主要な作業時と、膜屋根パネル完成直後、完成45日後、完成1年後に実施した。計測結果として、竣工1年で膜張力は縦糸(warp)方向が約80%、横糸(fill)方向が約90%に減少した。また膜張力の低下は膜材料のリラクゼーションの他に、押さえケープル張力の低下やそれに伴う膜形状の変化なども一因として考えられる。