多段線形近似による膜の材料非線形解析のための弾性パラメタ算定法

詳細内容
発行年 1996年
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タイトル 多段線形近似による膜の材料非線形解析のための弾性パラメタ算定法
著者 南宏和、山本千秋、瀬川信哉、河野義裕
概要 PTFEコーテイング・ガラス繊維膜材料は顕著な材料非線形特性を持つ。この膜材料が使用される膜構造建築物のより精密な応力解析のために、その非線形性を考慮する実用的方法を提案した。その方法は、多段線形近似法である。この膜材料が2軸伸長をするときには、たて糸方向の応力(Tx)とひずみ(εx)、よこ糸方向の応力(Ty) とひずみ(εy)の値はこの材料の特性として定まっているある曲面上の値として生じる。まず、この曲面の全領域を、多段に分割された応力範囲の一つの段の幅と、あらかじめ設定された応力比(Tx/Ty)の二つの値の区間で指定することができる小さな領域に分ける。次に、この小さな領域内では応力とひずみの関係は線形と仮定する。そして、この小さな領域でのみ使われる値として弾性パラメタを最小2乗法で算定する。膜の応力解析では、多くのこの小さな領域ごとで算定され記憶された弾性パラメタを用いて数値計算が進められる。一辺が40cmの正方形のPTFE-ガラス繊維膜の空気圧を受けるときの撓みの実験値と比較することによって、この多段線形近似法の妥当性を検証することができた。