膜材の表面粗さが滑雪特性に及ぼす影響について

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発行年 1995年
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タイトル 膜材の表面粗さが滑雪特性に及ぼす影響について
著者 苫米地司、伊東敏幸、高倉政寛、山口英治
概要 本研究では, 膜構造物における屋根雪処理の滑雪処理による屋根上積雪荷重制御方法を確立することを目的に, 膜材の表面性状が滑雪抵抗力に及ぼす固有の影響, 雪質が滑雪現象に及ぼす影響について検討した。その結果, 屋根雪の滑雪開始条件を支配する凍着強度と材料表面における凹凸の平均間隔を示すSmとの関係は極大値を持つ山形分布となり, Smの大きい膜材は他の屋根茸材よりも小さな値となる。膜材における屋根雪の滑走持続を支配する摩擦係数と含水率との関係は極大値を持つ山形分布となり, 界面の水分量が多くなると摩擦係数が大きくなる傾向を示す。すなわち, 表面粗さの大きい膜材は凍着強度を除去する程度の熱エネルギーを与えるだけで滑雪現象が発生し, 持続することを示している。これらの膜材固有の滑雪特性を十分に考慮した屋根雪処型計画を行うことにより屋根上積雪荷重の低減が可能と考える。